過去の病気ではない結核

過去の病気ではない結核

 

  • 年間2万人以上が罹患

 かつて結核は死亡原因の第1位でした。その後、衛生環境の向上と的確な治療法が開発されて患者数は激減しましたが、90年代後半に一時増加。現在は減少傾向ながら、年間2万2000人以上の人がかかっています。原因となる結核菌は、空気感染または飛沫感染によって体内に侵入します。通常は免疫の働きによって菌の活動は抑えられますが、抵抗力が低下すると活動を始めて発病する危険性があります。発病の確率は5~10%。感染から2年以内の発病が多いものの、数年~数十年後に発病する例も見られます。

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  • ひどくなる前に受診

 初期症状は風邪と同じで、せき、たん、微熱。これらが2週間以上続いたり、良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。体重減少や食欲不振を伴うこともあります。悪化すると、「排菌」といってせきと一緒に菌が空気中に吐き出されるようになり、人にうつすおそれがあります。疑わしい症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診してください。現在では、抗結核菌薬などが開発され、医師の指示に従って服薬すれば治癒できます。排菌がある場合は入院が必要ですが、そうでない場合は通院治療も可能です。