鉄欠乏性貧血の正しい知識
- 酸素が行き届かない
貧血というと、めまいやふらつきなどの症状を思い浮かべがちです。しかし、貧血の約90%を占める「鉄欠乏性貧血」の典型的な症状は、身体を動かしたときの動悸や息切れ、倦怠感、顔面蒼白など。爪が割れやすい、□の端や舌が荒れる、肌が乾燥するといった症状が見られることもあります。原因はヘモグロビンを作るために欠かせない鉄分の不足。ヘモグロビンには全身に酸素を運ぶ役割があり、十分に供給されないと身体のさまざまな部分が酸欠状態になって、前述のような症状が現れます。

- 原因を突き止めること
鉄が不足する要因で最も多いのは、胃・十二指腸潰瘍による消化管からの出血、女性の場合は月経過多、子宮筋腫など。中高年以降ではがんによる出血も疑われます。また、偏食やダイエットによる栄養バランスの崩れや、成長期、妊娠期の鉄需要の増加が関係することもあります。鉄欠乏性貧血が疑われる症状がある場合は、必ず受診して血液検査を受けるとともに、鉄不足の要因を明らかにして、必要な治療を受けるようにしましょう。貧血の治療では鉄不足を改善するための食事療法のほか、鉄剤の投与などが行われます。